第1章 サイズで印象が変わる!ショップカードの基本知識

ショップカードは、店舗の世界観やブランドを小さな紙面で伝える重要な販促ツールです。名刺やポイントカードとは異なり、「お客様にもう一度来てもらう」ためのリピート戦略ツールです。日本国内では名刺サイズ(91×55mm)が最も一般的で、全体の約70%を占めます。(出典:papersizes.io)。

近年では、クレジットカードサイズ(85.6×54mm)は国際規格ISO/IEC7810が財布に収まりやすいことから人気が高まっています。(出典:ISO.org)。

サイズは見た目だけでなく、携帯性・保存性・信頼性が関わっています。

例として名刺サイズは名刺入れに入るため配布時の利便性が高く、ビジネス用途に適しています。反対に、クレジットカードサイズは「高級感」や「特別感」を演出でき、カフェやアパレルなど感性重視の業種で好まれます。

印象の研究でも、紙面サイズの違いが“記憶に残る確率”を最大1.4倍まで高めるというデータが報告されています。(出典:Nielsen Norman Group)。

ショップカードはSNS誘導やQRコードの活用といったオンラインとの接点を持つツールとしても注目されており、サイズが大きすぎると財布に入らず捨てられるリスクが上がり、小さすぎるとデザイン情報が伝わりづらくなるため、適切なバランス設計が重要です。

ショップカードの“正しいサイズ”とは、ブランドの印象・配布方法・お客様の使いやすさの三点を最適化できる寸法を選ぶことです。

印刷の前段階でこの判断を誤ると、せっかくのデザインや印刷品質も十分に生かせなくなります。

第2章 名刺サイズとクレジットカードサイズの違いを比較

ショップカードを制作する際、最も多くの方が迷うのが「名刺サイズ」と「クレジットカードサイズ」のどちらを採用するかという点です。
どちらも一見似ていますが、長辺で約5.4mm、短辺で約1mmの差があります。(名刺サイズ:91×55mm、クレジットカードサイズ:85.6×54mm)。

わずかな差が、手に取った印象や携帯性、保存率に大きな違いを生み出します。
出典:papersizes.io、ISO.org

名刺サイズ(91×55mm)の特徴

日本では、名刺サイズがもっとも一般的なショップカード寸法です。理由は、既存の名刺入れやカードケースに対応しているためです。営業職・事務職の多くが使うカードホルダーにそのまま収まるので、受け取った相手が「保管しやすい」「取り出しやすい」と感じやすく、配布効率と保存率の高さが強みです。
印刷会社でも標準的な断裁サイズとして扱われるため、コストが安定し、納期も短縮しやすい傾向があります。

クレジットカードサイズ(85.6×54mm)の特徴

クレジットカードサイズは国際規格「ISO/IEC 7810 ID-1」に準拠しており、財布に入る寸法として設計されたグローバル基準です。わずかに小さいため、手に取ると「厚みを感じにくい」「すっきり収まる」という印象を与えます。
アパレル・カフェ・美容サロンなどの店舗では、高級感や洗練された印象を演出する目的で採用されることが増えています。デザイン上も、白余白を広くとり、ブランドロゴを中央に配置することで「ミニマルな美しさ」を表現する傾向にあります。

どちらを選ぶべきか?用途別の考え方

再来店を促したい店舗(カフェ・美容室など)
→ クレジットカードサイズ。財布に入れやすく、再訪率を上げやすい、店舗情報や予約サイトQRコードから顧客の導線を確保。

取引先・法人顧客中心のビジネス用途
→ 名刺サイズ。渡しやすく、管理・保管に優れる。

ブランド訴求・販促イベント用
→ クレジットカードまたは変形サイズ。印象を重視し、差別化を狙う。

このように、「どちらが正解」ではなく、目的に応じた最適解を選ぶことが大切です。印刷コストや配布シーン、顧客層を踏まえたうえで、自社のブランド体験に合ったサイズを選ぶことが、集客効果を最大化する第一歩となります。

ショップカードのサイズ比較(名刺サイズ vs クレジットカードサイズ) EQP推奨

項目名刺サイズ(91×55mm)クレジットカードサイズ(85.6×54mm)
規格日本国内の標準名刺サイズISO/IEC 7810(ID-1)準拠
寸法差長辺91mm/短辺55mm長辺が約5.4mm短い/短辺が約1mm短い
印象フォーマル・信頼感・配布しやすいコンパクト・高級感・ミニマル表現に最適
主な用途名刺・ショップカード・DM封入アパレル・カフェ・美容・会員カード
保存性/携帯性名刺入れ・カードケースに最適財布のカードポケットに収まりやすい
コスト目安標準断裁で安定(例:100枚あたり約1,500〜2,000円)やや高めになる場合あり(断裁・型抜き加算の可能性)
デザイン自由度情報量を載せやすく、QRも余裕余白活かし・中央ロゴ等の洗練表現に向く
印刷対応性ほぼ全印刷会社が標準対応対応可だが仕様により追加費用の可能性
メリット渡しやすく管理しやすい/ビジネス互換性が高い持ち歩かれやすく再来店導線を作りやすい
デメリット一般的すぎて差別化が難しい情報量を詰め込みにくい・コスト上昇の可能性

出典: papersizes.io(Business Card Japan)/ ISO.org(ISO/IEC 7810:2019)

第3章 変形サイズ・二つ折りカードの活用で差をつける

ショップカードの印象を高めたい場合、「名刺サイズ」「クレジットカードサイズ」に加えて、変形サイズや二つ折りタイプを採用する方法があります。

正方形・細長タイプで個性を演出

正方形カード(例:55×55mm)は視覚的な印象が強く、小さくても「手に取りたくなる形状」として効果が見込めます。
細長タイプ(例:91×40mm)は上品な印象を与えやすく、雑貨店や美容サロンのブランドロゴを引き立てる用途に向いています。印刷面積が小さいため、情報量よりもデザイン訴求に重点を置くケースで採用されます。

二つ折りカードで情報量を増やす

二つ折りタイプ(展開時:182×55mm/折り後:91×55mm)は、情報量を多く載せたい店舗におすすめです。
メニュー・店舗マップ・SNS QRコードなどを1枚にまとめられるため、リーフレット的な役割も果たします。
調査によると、二つ折りカードは通常サイズカードに比べ平均保存期間が1.6倍長いというデータもあります。

このように、変形カードは「ブランドを記憶させる効果」が高い一方で、配布シーンや保管環境に合わせた戦略的なサイズ設計が求められます。

単に目立たせるだけでなく、「受け取ったお客様がどこで保管し、どのタイミングで再び見るのか」を考えることが、リピーター創出につながるショップカード設計のポイントです。

第4章 印刷・デザインで失敗しないサイズ設定のポイント

ショップカードは、データ設定の不備で品質を落としやすいです。
典型例は、塗り足し不足・RGB入稿・フォント未埋め込みです。
入稿トラブルの代表例は専門記事でも整理されています。出典:IMPAM|印刷物で起こりやすいミス

4-1 データ作成時の注意点(塗り足し・解像度)

断裁ズレに備え、仕上がりの外側に3mmの塗り足しを設定します。
名刺サイズ91×55mmなら、データは97×61mmが目安となります。
背景を端まで敷く場合、塗り足し不足は白フチ発生の原因です。
画像は300dpi以上を推奨し、拡大流用は避けてください。
Illustratorの設定手順は公式解説が参考になります。
出典:Adobe公式ヘルプ|トンボと塗り足し

4-2 QRコードやSNSロゴの推奨寸法と余白設計

QRコードは実務上15〜20mm角を目安に確保してください。
小さすぎると読み取り精度が落ち、離脱率上昇を招きます。
複数ロゴは3〜5mmの要素間隔で視認性を担保します。
要素を詰め込むより余白を設けた方が理解度は高まります。
可読性と理解度の観点は下記の研究が参考になります。
出典:Nielsen Norman Group|Legibility, Readability, and Comprehension

4-3 印刷ズレ・断裁を防ぐ最終チェック(三項目)

フォント埋め込み:置換や文字化けを防ぐため必須です。
CMYK入稿:RGBのままでは想定より暗く出る傾向です。
安全マージン:端から5mm以上あけて重要情報を配置。

これらは再印刷や納期遅延を防ぐ最低限の予防線です。

第5章 印象を高めるサイズ選び×デザイン事例

ショップカードは「渡すためのツール」ではなく、「思い出してもらうためのツール」です。
実は、カードのサイズや厚み、手触りは、お客様の印象や信頼感に大きく影響します。
心理学研究によると、人は手にした物体の「重さ・形状・サイズ」でブランドの信頼性を判断する傾向があり、カードが小さいほど親しみやすく、大きいほど高級感を感じる傾向があるとされています。

5-1 小さくても印象的!クレジットカードサイズの活用事例

東京都内のカフェでは、名刺より少し小さいクレジットカードサイズ(85.6×54mm)のショップカードを採用しています。
財布やカードホルダーに自然に収まるため、持ち歩かれやすく、SNSへのアクセス導線を設けるとフォロワー獲得につながりました。
このように、コンパクトなカードは「日常の中で再び見てもらう」効果を持ち、リピート来店やSNS誘導に向いています。
カードが生活動線に溶け込むことで、ブランドとの接点を自然に維持できるのです。

5-2 高級感を演出する二つ折り・厚紙カードの成功例

美容サロン「Lien」では、二つ折りカード(展開時182×55mm)を採用し、内側にメニューとQRコードを配置しています。
この形状は情報量を多く掲載でき、1枚でブランドストーリーやサービス紹介を伝えられる点が特徴です。
厚みのあるマット紙を用いることで落ち着いた印象を演出。
消費者心理の研究でも、紙の厚みや質感がブランドへの信頼感を高める効果があると報告されています(出典:ScienceDirect|Tactile Cues and Trust Study, 2021)。

5-3 ブランドイメージに合うサイズの選び方まとめ

信頼感・フォーマル性を重視する場合:名刺サイズ(91×55mm)
親しみ・携帯性を重視する場合:クレジットカードサイズ(85.6×54mm)
ブランドの世界観や独自性を強調したい場合:正方形・二つ折り・厚紙タイプ

重要なのは「目立つ」ことよりも、お客様が保管したくなるサイズと質感を選ぶことです。
ブランドの個性を伝えるカードは、使いやすさとデザインの調和によって完成します。

【よくあるご質問】

Q1. 名刺サイズとクレジットカードサイズ、どちらが主流ですか?
A. 現在は名刺サイズ(91×55mm)が一般的ですが、クレジットカードサイズ(85×54mm)も高級感を重視する店舗で人気です。

Q2. 名刺サイズとクレジットカードサイズの違いはどのくらいですか?
A. 約6mm×1mmの差で、クレジットカードサイズの方がわずかに小さく、財布に入れやすいのが特徴です。

Q3. QRコードを入れる場合、どのサイズが適していますか?
A. どちらのサイズでも可能ですが、余白が取りやすい名刺サイズの方がレイアウト自由度が高いです。

Q4. 変形サイズはコストが高くなりますか?
A. はい。特注サイズは断裁・型抜き費用が加算される場合がありますが、デザイン効果は抜群です。

Q5. 少部数でも印刷できますか?
A. 遠藤印刷では小ロット・短納期にも対応しています。

この記事を書いた人

遠藤印刷

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