遠藤印刷 代表の遠藤です。日商簿記2級を保有し、大手ゼネコンでの施工管理経験を活かした徹底的な品質・工程と工数管理を強みとしています。創業55年の現場力を活かし、お客様の印刷業務における効率化とコスト最適化の支援に日々邁進しております。
本記事は、印刷発注が初めてで「部数が少ないと印刷会社に断られるのでは?」と不安な方へ、少部数印刷の仕上がりと費用の決め方を整理します。
結論は、単価より「部数余り」と「差替えや再校正の手戻り」が総コストを左右します。
1.少部数印刷とは?どのくらいから「少部数」なのか?
1-1 「少部数印刷」は何部から?一般的な目安と定義を解説
「少部数印刷」とは、必要な部数だけを印刷するスタイルのことです。明確な基準はありませんが、一般的には1部〜300部程度を少部数とする印刷会社が多い傾向です。
こうした小ロット対応は、展示会配布物や社内パンフレットなど「少しだけ印刷したい」ニーズに最適です。大量印刷が前提だった時代と比べ、現在は少部数でも手軽に高品質な印刷が手軽になってきました。

1-2 少部数印刷が可能な理由|オンデマンド印刷の仕組み
少部数印刷を支えるのがオンデマンド印刷機です。
従来のオフセット印刷は「版」を作成するため初期費用が発生し、少部数では割高感がありました。しかしオンデマンド印刷ではデジタルデータを直接プリンターに送信して印刷する方式で、版の作成が不要です。そのため、1部からでも発注でき、納期も短縮されます。オンデマンド印刷は「必要な部数を必要なときに出力できる」環境対応型の方式として普及しています。また、近年の機種では色再現性が向上し、小ロットでも商業品質を実現しています。
1-3 少部数印刷が活躍するシーンと用途例
少部数印刷は、在庫を持たずに印刷できるため、さまざまな場面で利用されています。
代表的な用途としては、学会資料・論文製本(10〜50部)、会社案内・営業パンフレット(50〜200部)、イベント配布物(100〜300部)などがあります。
「必要な分だけ印刷したい」「頻繁に内容を更新したい」という要望にぴったりです。また、環境省の3R推進資料では「廃棄物削減のためのオンデマンド印刷の活用」が推奨されています。
つまり少部数印刷は、コスト削減と環境配慮を両立できる印刷スタイルといえるでしょう。
「少部数を歓迎する印刷会社」は増えています
印刷は巨大産業ですが、発注は小口(少部数)化しています。
日本の印刷産業は、2022年時点で出荷金額が約5兆円規模とされ、事業所数は1万件単位で存在します。発注の受け皿は大きく案件も多様です。 (jfpi.or.jp)
2-1 オンデマンドとオフセットの違い|発色・トーン・再現性を比較
少部数印刷では、多くの場合「オンデマンド印刷」が採用されます。
これはデジタルデータをそのまま出力する方式で、版を作らずスピーディに印刷できるのが特徴です。
一方「オフセット印刷」は、アルミ版を介してインクを紙に転写する方式で、色の安定性・グラデーション再現性に優れるため、大量印刷に適しています。
日本印刷産業連合会によると、近年ではオンデマンド印刷の解像度が1,200dpi以上に進化し、色のムラやトーン差は肉眼ではほとんど判別できないレベルに達しています(日本印刷産業連合会)。
つまり、発注初心者の方でも「オンデマンド=低品質」という心配は不要です。
2-2 紙質と厚みで変わる印象|おすすめの用紙選び
印刷物の仕上がりを大きく左右するのが「紙の種類」と「厚み」です。
