本記事は、Excelで図形がずれて印刷できない原因を「あなたのミス」ではなく「環境依存」という構造から原因を突き止め、今日から再発を減らす設定と運用を記載していきます。
第1章 Excelの図形がずれるのは、あなたのせいではありません
印刷業務に不慣れな方ほど、Excelの図形ずれに遭遇した瞬間、こう考えがちです。
「どこかの設定を間違えたのでは」
「自分の操作が悪かったのでは」
ここで最初に認識を変えていただく必要があります。
Excelの印刷レイアウトは、同じファイルでも、開く環境や印刷ドライバーの条件で変わり得ることは珍しくありません。これは構造的に起こり得る現象です。
実際にMicrosoftも、フォントの性質によって印刷プレビュー時に列幅や行高が異なることがある、と原因を説明しています(出典:Microsoftサポート)。 (マイクロソフトサポート)
皆さんが本当に片付けたい用事は「図形を直す」ことではありません。
・締切日に間に合う、ミスのない書類を出したい。
・上司や取引先に迷惑をかけたくない。
・印刷で崩れる不安を消して、仕事を前に進めたい。
これらは、Excelの図形ずれ問題は「技術」より「責任と不安」の心理的問題を多く含みます。
解決策も設定の小技だけでは足りません。運用ごと変える必要があります。
第2章 まず知っておくべき「ずれる3大要因」
Excelの図形ずれは、多くの場合に次の3つが絡みます。
要因1:フォントが違うと、セル寸法が変わる
Excelは、文字の幅や高さをフォントのメトリクスに依存して計算します。プロポーショナルフォントでは印刷時に列幅や行高が変わる場合がある、とMicrosoftは説明しています(出典:Microsoftサポート, 年不明)。 (マイクロソフトサポート)
セル寸法が変われば、セルに乗せた図形も相対位置がズレます。
要因2:Windowsの表示スケーリングや高DPIの影響
高DPI環境では、アプリ側がスケール変更に追従する必要があり、Officeもスケーリングの影響を受けます(出典:Microsoft Learn, 2023年)。 (Microsoft Learn)
実務では「画面の表示を125%にしているPCだけ改ページや配置が変わる」などとして現れやすいです。
要因3:プリンタードライバーが違うと、印刷結果が変わる
Excelの印刷は、選択されているプリンタードライバーの条件に敏感です。コミュニティでも「Excelの印刷はアクティブなプリンタードライバーに依存する」という報告があります(出典:Microsoft Tech Community, 2023年)。 (TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)
さらに、プリンタードライバー側の解像度やアプリズーム設定がレイアウト変化に関わる、とメーカー側サポートでも具体的な設定が案内されています(出典:富士フイルムビジネスイノベーション サポート, 年不明)。 (Fujifilm)
出典: papersizes.io(Business Card Japan)/ ISO.org(ISO/IEC 7810:2019)
第3章 今日からできる「再発を減らす」実務チェックリスト
パソコンが得意でない方でもリスクを低減する方法をお伝えします。
全てやる必要はありません。環境ごとにリスクが異なるためです。
まずはPDFにして固める
Excelから直接プリンタに出すほど、環境差の影響を受けます。
対策としては「一度PDFに固定し、PDFを印刷する」が現場で効きます。実際にTech CommunityでもPDF経由を勧める流れがあります(出典:Microsoft Tech Community, 2023年)。 (TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)
・Excelで最終確認
・PDFとして保存
・PDFビューアから印刷
これだけで事故率が落ちることが多いです。
Windowsの表示スケールを確認する
特定のPCだけズレるなら、表示スケールが100%以外の可能性があります。高DPIとスケーリングはOffice側の扱いも絡みます(出典:Microsoft Learn, 2023年)。 (Microsoft Learn)
社内で帳票を回すなら、帳票用PCだけでも表示スケールを揃える価値があります。
プリンタードライバーを固定する
同じプリンタのつもりでも、ドライバーや設定が違えば結果が変わり得ます(出典:Microsoft Tech Community, 2023年)。 (TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)
メーカーサポートでは、ドライバー解像度やアプリズームの調整が案内されています(出典:富士フイルムビジネスイノベーション サポート, 年不明)。 (Fujifilm)
社内で印刷結果を揃えたいなら、帳票印刷は特定のプリンタと設定に寄せるのが堅いです。
フォントを 揃える か 等幅寄り に倒す
Microsoftは、プロポーショナルTrueTypeフォントなどで列幅や行高が印刷時に変わる場合がある、と説明しています(出典:Microsoftサポート, 年不明)。 (マイクロソフトサポート)
対策はシンプルです。
・全員が持つフォントを使う
・帳票は装飾より安定性を優先する
図形側の設定で「動かない」方向へ
行や列の挿入で図形が動くのは、プロパティ設定の意味の違いが原因になりやすいです。Microsoft Answersでも「セルに合わせて移動するがサイズ変更はしない」だと、挿入で動く、と説明されています。(出典:Microsoft Answers, 2021年)。 (Microsoft Learn)
帳票では、原則として「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」を基本にすると事故が減ります。
| よくある症状 | ありがちな原因 | 現実的な対策 |
| 自分のPCではOK、別PCでズレる | フォント差、表示スケール差、ドライバー差 | PDF化、表示スケール統一、プリンタ固定 |
| 印刷プレビューだけズレる | フォントの仕様の差で行高が変化 | フォント見直し |
| ズレるページが後ろほど大きい | 改ページ計算の累積誤差、環境差 | 余白を持たせる、PDFで固める |
| 図形を固定したのにズレる | 根本が環境依存 | 運用変更が必要(PDF、DTP化) |
第4章 正直に言います:Excelは「図面ソフト」ではありません
ここが一番重要です。
Excelは、集計と表計算のソフトです。帳票や図面を作れてしまう便利さがある一方で、印刷の再現性を最優先に設計されたDTPツールではありません。
だから、次のような用途ほど、Excelは不利になります。
・学会や法人向けの提出物で、レイアウトが一ミリでもズレると困る
・複数人が別PCで更新して印刷する
・締切があり、当日に崩れると終わる
この領域は「印刷に強い人に預ける」だけで、驚くほど楽になります。
4-1 ここまで読んだ方へ 「最短で業務を楽にする方法」
もしあなたが今、こう感じているなら、
「設定は分かった。でも自分で再発ゼロにできる自信がない」
それは正常な反応です。なぜなら原因が複合的だからです。
印刷会社に頼む価値は、紙を刷ることだけではありません。
・受け取ったExcelやPDFを、印刷で崩れないデータに整える
・プリンタや環境差で崩れるポイントを先回りで潰す
・納期に間に合わせる前提で、あなたの確認の手間を減らす
つまり、あなたの「失敗できない」を肩代わりしています。
第5章 最後に 仕事は、正しさより「確実さ」で前に進みます
図形がずれたときに、あなたは怠けていません。むしろ責任感が強いから苦しいのです。
印刷は、きれいに作ることより、予定通りに届くことのほうが価値になる場面があります。
遠藤印刷は、その確実さのために存在しています。
あなたの作業が軽くなり、本業へ手が回る状態を一緒に作ります。
「これって聞いていいのかな?」で大丈夫です
「これって聞いていいのかな?」で大丈夫です
弊社は無理な営業は行いません。
見積依頼でなくてもお気軽にお問合せください。
方向性の確認や、やり方の相談だけでも歓迎しています。
ひとりで悩む前にまずはご相談を!
お問合せ先:https://eqp.jp/consultation/
【よくあるご質問】
Q1. まだ仕様が決まっていませんが、相談しても大丈夫ですか?
はい、問題ありません。
「何が決まっていないか分からない」という状態からでも対応しています。
内容を整理しながら、進め方をご提案します。
Q2. ExcelやWordのデータでも見てもらえますか?
はい、可能です。
Excel・Word・PDFなど、形式はなんでもokです。
印刷で崩れやすいポイントがあるかを確認した上で、最適な方法をご案内します。
Q3. 見積依頼ではなく、相談だけでも大丈夫ですか?
はい、相談のみでも構いません。
方向性の確認や、やり方の相談だけでも歓迎しています。
無理に発注をおすすめすることはありません。
Q4. 図形ずれやレイアウト崩れが起きるか、事前に分かりますか?
多くの場合、事前に判断できます。
環境依存やデータ構造によるリスクは、
プロが見れば短時間で把握できるケースがほとんどです。
Q5. どのくらいの情報を送ればいいですか?
分かる範囲で大丈夫です。
文章での説明が難しければ、
スクリーンショット1枚だけでも状況を把握できます。
