はじめての研究発表:わかりやすいパワーポイント資料の作り方
卒論・修論の発表ってなに?準備は必要?
卒業論文や修士論文の発表とは、自分の研究内容をスライドにまとめて、聴衆の前で説明することを指します。
「とりあえず発表を乗り切ればいい」と思っていませんか?でも、その考え方はおすすめできません。
なぜなら、発表スキルや資料作成の力は、社会に出てからもずっと使える大事な能力だからです。
最近では、学生のうちから上手なプレゼンをする人も多く、スティーブ・ジョブズなので発表の質がどんどん上がっています。
就職後に「発表が苦手な人」と思われないためにも、学生のうちにしっかりとしたスキルを身につけておくことが大切です。
発表の基本を押さえるだけで、グッと見やすく伝わる資料が作れます。
この記事では、パワーポイントを使った研究発表資料の作り方を、初心者向けにやさしく解説していきます。
スライド作成のポイント:ストーリーを意識しよう
研究発表の資料を作るとき、まず意識してほしいのは「紙芝居のように作る」ということです。
初心者にありがちなミスは、スライドに文字を詰め込みすぎてしまうこと。これは、「大事なことを全部書きたい」「話すのを忘れそう」という不安から来ています。
でも、本当に伝えるべきなのはスライドではなく“あなた自身の言葉”です。
スライドは話をサポートするだけの道具です。
だから、スライドはシンプルにして、あなたが要点をしっかり伝えるように準備をしましょう。
1. スライドの基本ルール
- 1スライド に 1メッセージ:1枚に伝えたいことを1つだけ。情報を詰めすぎない。
- 1スライド 1分まで :長く話しすぎないように、1枚につき1分で話せるよう調整。
- 色は3色まで :強調したいところだけ色を使い、基本は黒文字でシンプルに。
- 文章は使いすぎない :「○○だと考えられる」より「ポイント:○○」と簡潔に。
- 余白をしっかり取る :文字や図を端に詰めすぎない。
2. パワーポイントの基本設定
- スライドサイズは 4 : 3 : プロジェクターとの相性を考えて、基本は4:3が無難です。
- フォントは見やすく:
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- 日本語は「明朝体」や「游ゴシック」がおすすめ。
- 英語・数字は「timesnewroman」などが視認性◎。
- フォントサイズは20〜24pt:会場の広さによって調整。後ろの席からも読める大きさに。
- ページ番号を入れる:聴衆からの質問のときに「○ページの〜」と指定しやすくなります。
3. スライド構成の考え方
発表スライドの構成は次の順が基本的な型です。
1.目的(何のための研究か)
- 結論(その結果どうなったか)
- 結果・考察(どんなデータが得られたか)
- 方法・手法(どうやって研究したか)
背景や細かい方法を前に持ってくると、スライドが増えすぎたり、要点がぼやけたりします。最初に「結論」を伝えることで聞き手の理解度が増します。

4. 質疑応答の心構え
- 質問が出るのは良いこと! :誰も興味がなければ質問は出ません。質問されたら「興味を持ってもらえた」と前向きに捉えましょう。
- 事前に質問対策をしよう :後輩や友人に発表を聞いてもらい、想定質問を集めましょう。
- 必要なら予備スライドを作る:予想される質問に答えるための補足資料を用意しておくと安心。
まとめ
パワーポイントで研究発表のスライドを作るときは、「シンプル・伝わる・わかりやすい」が大切です。
完璧じゃなくて大丈夫。まずは構成を考え、ざっくり作ってみて、スライドを見ながらスムーズに発表できるまで何度も練習して修正していきましょう。
聴衆の人数×5分ほどの練習時間の目安です。10人×5分=50分が練習時間。
あなたの言葉で、あなたの研究をしっかり伝える。それが発表の一番の目的です!